22. Dezember 06

よいお年をお迎えください

みなさまいかがお過ごしでしょうか。

やっと冬休みに入りました…
といっても冬休み、実質的にあんまり休みでないような気がするのですが。
これでやっと落ち着いて論文の仕上げが出来る…

少しはクリスマスらしいことをしようと、クッキーなど焼いてみました。

粉(薄力粉450g、アーモンド粉120g)にシナモンで香りを付けます。
五香粉、カルダモンでも。
180度のオーヴンで30~40分、煎ります。

バター250g、卵1個、砂糖120gをクリーム状になるまで混ぜ
煎った粉を混ぜてひとまとめにして、1時間以上冷蔵庫で寝かせます。

生地で500円玉大厚さ7mmほどの円盤をつくり、180度のオーヴンで15分焼きます。
粉砂糖をふってできあがり。

…クラビエデスを作ろうと思ったのですが、ウゾがなにしろ高いので
ポルボローネ風のものをつくることにしてみました。
できあがりは、香港やマカオあたりのアーモンドクッキーに似ています。
のんべの方にも、甘党の方にも。
赤ワインでもコーヒー(濃ければさらによし)でも、紅茶、または中国茶でも。
お子様にはすこし大人の味でしょう。
かんたんなのでぜひお試しください。
これで80~100枚焼けるでしょう。

雪国で暮らしたこともあるし、雪も寒さも得意ですが
やはり六月生まれ、どんより曇ってじめじめと日が短いのが堪えます。
北欧とかカナダとかロシアとか、日が短くてももっと徹底して寒くて
雪がつもっているようなところにいってみたいかも、ではありますが。
ことしは東京のすばらしい冬の青空をあまり見ていないような気がします。


2006年、印象にのこった…を書こうと思いましたが
結局、音楽は、3月の高松のドミトリー・レフコヴィッチ氏できまりでしょう。
ドミちゃんざぶとんとはねまくらぜんぶもっておゆきなさい。
「ボクをひろってください」「オレを見ろ」「巨匠のレプリカ」ぽい若者の演奏が目立つ今日この頃ですが、そのなかにあって、なぜ、あんなに輝かしい演奏をできるひとが、世の中になかなか出てこられないのか、非常に非常に不思議です。

小説や詩歌については、思うこともいろいろありますが、いまは、書かないでおきましょう。
ともかく、来年は詩集を出します。またお知らせします。

ともあれ、明日から少しずつ日が長くなるかと思うと、それだけで少し心も晴れます。
みなさまよいお年をお迎えください。

年末までに、また気が向いたらなにか書きます。

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27. November 06

人工甘味料の後味。

むむむ、浜コン結果見ましたよ。
昨日やってみた夫の予想と実際の結果をくらべてみましょう。


夫                          実際
1位 なし                     1位 ゴルラッチ
2位 クズネツォフ、北村             2位 クズネツォフ
3位 なし                     3位 北村、キム
4位 ゴルラッチ                  4位 なし
5位 サラトフスキー、ワン            5位 ワン
6位 キム                     6位 サラトフスキー

夫:審査員の人たちもあんまり一般の人たちと耳が変わらないようですね。
  まあ、クズネツォフ、北村、ゴルラッチは最後まで破綻なく弾いて、残り3人はスットコドッコイだったのは、誰が聴いても明らかだったから、そのなかでいわゆる政治的決着が行われたのでしょう…。

私:ゴルラッチ、北村君、ガブリリュクにトカレフは、たたずまいが似ているな…
 先生の言うことをよくきいてそのとおり練習する良い子…。
 (ま、ガブリリュクはちょっと違うかもしれないけどさ)
 これからの若手はこれだっつうのかあああ?
 つまんないつまんないつまんない(机をダンダン)。
 えっ、タヴェルナにはなんにもなし?
 つまんないつまんないつまんない(机をダンダン)
 さあっお茶お茶。お湯沸かしてくるわ…

個人的に聴いてみたかった:
ニコ・シロコラッド女史の3次の英語圏バリバリ前衛音楽プログラム。
ダリア・ラボートキナ女史の弾くアムランのエチュード。
二人とも残らなかったけど…。

ああしかし、ドミちゃんがなつかしいぞ。

追)
とりあえずコンクールねたはこれにて終わりです。
12/7、ニューヨークには行きません(行けません)。残念。
書き物します…

追2)
というわけでチェリ(チェリビダッケ)×ミケ(ミケランジェリ)×ミュンヘンフィルのラヴェルのコンチェルト、聴いてます(1982年のライヴ録音)
う、うーまーいー(涙) 
あざやか…
したたるようなうつくしさ…
第2楽章なんて、もう。
まるで、ピアノが別の楽器みたいにきこえる…
いえ、チェリ様にミケ様ですから、うまいのはあたりまえなのかもしれないのですが。
やっぱりこうでなくっちゃ。
あとでハフ先生のラフマニノフ聴きましょう

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26. November 06

やっぱり予想してみた。

◇…さて、夫が出張から帰ってきました。彼はついでに浜コン本選を聴いてきたのです。
そこで、予想をば。

1位 なし
2位 クズネツォフ、北村
3位 なし
4位 ゴルラッチ
5位 サラトフスキー、ワン
6位 キム

夫:一日目の最初のワン先生はラフ2を弾いたけど、第3楽章の最後の盛り上がりがもう、京劇風で笑ってしまった。でも、オケをちゃんと聴けてないところが何カ所かあって、明らかにずれてしまったり、フライングがあったりして、どう評価されるかな。ゴルラッチのベト3は完成度が高かったけど、そつなくこなした感じ。キム君は弾き方の癖と表現を混同してるようなふしがあって、たぶん、第1楽章は緊張して曲をまとめかねていた。全体として曲を手中に入れていないって感じだった。2日目のクズネツォフは6人のなかでは最年長ということもあって、さすがにいちばん大人の音楽を聴かせていて、細かいところまでよく弾けていたけれど、なぜか全体的な訴求力に欠けるんだな。第3楽章の後のほうで明らかに集中力が切れた箇所があって、まあ、それが、どう評価されるかな。北村君はゴルラッチ以上にそつなくまとめた感じで、「ピアノサイボーグ ver.2.0」かなあ。ラフ3は、ラヴェルのコンチェルトの倍以上演奏しないと終わらないんだけど、ステージで長く弾いていれば弾いているほど、ぼろがでたり集中力が切れる可能性が高いのだから、まあ、短い曲を破綻なく弾いてひっこんだのは、選曲勝ちかもね。サラトフスキーは6人の中で一番指が回るけれど、もう、とにかく、一人で速くいっしょうけんめい弾いてるだけで、オーケストラとのコミュニケーションを忘れてしまっていた。
沼尻(竜典)さんは終始手堅くマイペースを保ってたよ。

私:むむ、なるほどピアノサイボーグver.2.0か…!!
  予想、これでいいんじゃない?

二人:なんだか幼い芸を楽しむ会になってるような気がするな…。
 ともかく、ドミちゃん(ドミトリー・レフコヴィッチ氏)やブンダー君(インゴルフ・ヴンダー氏)のような、華も芸も兼ね備えた人がいないのは、さびしいな…。
 ドミちゃん…ヴンダー君…(遠い目)

ちなみに、ブイヤベースはおいしかったようです。

追記)結果見ましたよ。うーん…(無口) もっと成熟したものを私たちは聴きたいぞ!

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ブイヤベース煮ました

◇寒くなってきたし、たまねぎがたくさんあったし、ブイヤベースを煮ました。ウェイトローズ(=ピーコック)のホールトマト500g缶優秀です。いつも280円なら私、買います。生協の海老貝ミックスと塩鮭と、鱈の粕漬けの粕を洗いおとして入れたら味に奥行きがでました。今日はムール貝無しです。

◇浜コン本選、二日目のストリーミングだけちょっと聴きました。クズネツォフさんは別格でしょう。第1楽章聴いただけで、お、もう、君はオッケイ、経験も積んでいるね、座布団たくさんもっておゆきなさい、でした。会場ではとてもよかったらしいゴルラッチ君との二人でワンツーフィニッシュでどうでしょう。

15歳君の弾いたラヴェルが妙にしゃびしゃびと水っぽかったのは、ストリーミングで聴いたから、というだけではないような気がします。彼には学ラン型の上下(イム兄弟が着てたみたいな)のほうがタキシードよりも年相応に似合いそうな気もします。

演奏を聴く限りでは、公式ウェブサイトのインタビューに接するかぎりでは、サラトフスキ君は自分にとても厳しい人なのかもなあ、と、必死のラフ3を見ていて泣けてきました。室内楽や歌曲とか合わせものとか、ひとりではできない音楽をたくさんたくさんたのしんで、キープスマイルなのだ。
アレッサンドロ・タヴェルナ君が本選に残っていればもっと面白かったのにとも思うけれど、いつか彼の演奏はどこかで聴けそうな気がします。
結果予想をするとたぶん外れると思うので、今回はしません。
とにかく、ほんとうにほんとうにお疲れ様でした。
(実は、公式ウェブサイトの事務局スタッフ日記、楽しみに読んでました。)

さあっ文章書くぞっ
(批評と短歌と論文とたまっているのです…)

◇ところで私、玲瓏賞(「玲瓏」内の賞)候補にノミネートされていたそうなのですが、今回は捲土重来とあいなりました。これでまたノミネート歴が一つ増えました…
それではしばらくごきげんよう

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22. November 06

反時代的趣味はいつもですが

みなさまこんばんは。

しごとにかまけてるあいだに、いつのまにか浜コンの2次も3次も終わってました。
いまさっき結果みましたよ。
うーん、、、、
私の趣味って反時代的?やっぱり?
どうも私の応援する人はコンクール向きじゃないみたいだなあ!
2次では楽しそうなマルコが聴けたからいいや。
ストリーミングだけど。
3次のアレッサンドロ・タヴェルナ君も明朗快活かつ洒脱なおいろけむんむんの演奏で(われらがドミトリー・レフコヴィッチ氏の容姿も芸風もよろず濃くしてさらに地中海のお色気をふりかけたような感じ)、悪魔の階段がなんだか妙に健康的だったり、粗いところはあるにしても、それなりに楽しめたし。美男子万歳。彼はライヴで聴いてみたい。いつかどこかで聴けないかな…
それにしてもサーシャ、不調だったのか。グリズリーとかなんとか、キツイこといろいろ書きましたが、「やれば出来るじゃん」と感じたのも事実、愛嬌のある人だし、音楽をやっていくんだろうなあ、という面構えだし、今回は残念でしたが、どんなふうに化けるか楽しみです。単に私が英国王立音楽院びいきなのかもしれませんが、懲りずにがんばってほしいです。
和合亮一さんになんとはなしに似ているエフゲニー・チェレパノフ君も、とても22歳とは思えぬ老成した音楽をつくっていて、その先が楽しみです。なにしろ音色きれいだし(和合さんの詩のはちゃめちゃ朗読の伴奏とかしたら、さぞかし二人とも新たな境地が…)。彼の弾くハリエット妖怪変化の場聴きたかったな、なんで途中でやめちゃうかなあ…残念。

しかし、日本人は、某15歳君だけが本選にまで残ってしまったか…
あらら。
やあね。
彼の2次の演奏ストリーミングで聴きましたが、清純ぶった(本人にはそのつもりはないのだろうけど)シューベルトを聴いていると、弱い子ぶったイマドキの現代詩少年たちの作品を思い出して、なんだか「フヌー!!」とムカムカしてきたので、3次の演奏は聴いていません(追記:聴いた。うーん良く指は回る子なんだろうけど、なにかが、なにかがたりない…)
どうして15歳のわけわかんないパワーを矯めるかね?
たとえがんがん弾きでも、少年のわけのわからんパワーがたぎってるほうが、まだ面白いのに。
少女だってそうだのに…(クレア嬢はげべげべだけど、あの真っ黒なプロコが16歳で弾けるってのはたいしたものだ)
その、わけのわからないパワーを、その人なりの方向に枝を整えながら(庭師の思い通りにねじふせ飼い慣らして矯めながら、じゃないのよ)、理性と感受性をのびのびと使えるようにしながらのばしてゆくのが教育ってものではないか…
フヌー!これが「日本代表」で、ほんとにいいの?

ん?
いま、ストリーミングで聴いてますが、セルゲイ・クズネツォフ君、もしかしてうまい?
本選に残った面子のなかでは、彼には完成されたなにかを感じます。
このスクリャービン、良い…。
モツもギャスパールも良い!
流行からは50年先を行っていた詩集『夜のギャスパール』を編んで、生前についに詩集が刊行されぬままに夭逝したアロイス・ベルトランが草葉の陰でどう聴くかしら。いいぞいいぞもっとやれー
(なお、『ギャスパール』の日本語訳は、伊吹武彦訳を推奨しますとも、バルコニーが「おばしま」だなんて素敵じゃありませんか)
私が応援すると勝てないみたいだけど、いいよーセルゲイ君勝って彩の国さいたま芸術劇場においで…
大人のピアノってこういうものよ、えっへん、ってあの15歳に聴かせてやって!!ウラー

スラヴォミル・ヴィルクさんも渋くて清潔感のある演奏で素敵だったんですけれどもねえ…パデレフスキのソナタだなんて、よくまあコンクールでこの曲を。好演だとも。やってくれるじゃありませんか。ときどきぶったたきだったり、ときどき傷もあるけれど、楽しんで聴けました。20代前半だってまだまだ若いのだもの、今回は残念だったけれど、めげずにがんばってほしい。(涙)

お二人とも短歌の題材になりそうな演奏でしたわ。
こうしてみると、存在そのものが詩のようなドミトリー・レフコヴィッチ氏はうまかったのだな…
ドミちゃん…(涙)


それでは、ピーコックで買ったウェイトローズのレモンビスケットでお茶呑み呑み文章書きますわ。
ウェイトローズのプロダクツがあるだけでニッコニコの私って、もしかして、わかりやすすぎますか?

またね。あんまり意地悪書かないように心しておきたいと思います。
私はただ、いい演奏が聴きたいだけなんだけどな…

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18. November 06

みにくしといはれてもなほうたふなり少年キエフの紅い靴下/なかにしけふこ

◇浜コンその3です。早送りにて失礼します。

表題は、その昔、ハフ先生のマスタークラスでサーシャの演奏を聴いたときに作った短歌です。
初出は『鐘楼』8号です。
ところで2次1日目、サーシャはますますグリズリーぶりを発揮していました。音楽の動きがどこか鈍重なのと、大音響を鳴らすところは徹底的に土砂降りのごとく大音響でかけめぐるあたり、まさに腹をすかせた熊の妖怪です。あんなにバーバリズム大炸裂のスクリャービンOp.8-12はなかなか弾けないでしょう。音楽らしさではアレクセイ・ゴラッチ少年が一歩リードかな。

リアルタイムで聴いたのは贔屓のマルコ・ムストネン氏。ショパンコンクールから確実に成長しているのでは…。血の通った音楽ができるひとです。邦人委嘱作品《ムジカ・ナラ》(徳山美奈子作曲)の童謡風のモティーフからもジャジーな魅力を引き出し、シューマンのソナタ第3番ではいまどきの若者からはなかなか聴けないような暖かくて豊満な音色で多感に歌い上げるなんて、やるじゃん。ばりっと間違えずに技巧を見せつけて弾くタイプではないから、上に行けるかどうかはわからないけれど、彼のシューマンが聴けただけでも、私は満足です。彼は今年のヴァンドーム賞のファイナリストにもなったそうですし、そのうちどこかでライヴを聴けないものかなあ。

マルチナ・フィリャク姐さんのたくましい骨太のブラームスも印象的。なんとなくですが、彼女テニス強そうだなあ(謎)。弾き終わった後の笑顔もさわやかです。韓国のキム・テヒョンさん21歳の演奏も端正。お金を払っても聴きたいかといわれるとそうでもないけど。

メリケン国のクレア・ファンチ嬢、見かけはおにんぎょうさんなのに、おそろしく正確にばりばり弾いてました。《ドン・ジョバンニの回想》を16歳で弾くとは、おそるべしマセガキ。テレビ映画のように見通しの良い明るい演奏、これであの因業なストーリーにハートで共振して弾いてたら凄い。
ところで彼女の音色が金属的に聞こえるのは、ストリーミング放送だからなのでしょうか。技巧には狂いがない人なのかもしれませんが、あの音色はちょっとかんべんです。美少女ピアニストサイボーグとしてフェミニズムSFに出てきそう。もうひとり、中国のおそるべき16歳・ワン・チュン君、さすがの凄腕です。彼はピアノに向かって音楽をしているというより、なんだかスポーツをしているような感じもするのですが。
ふたりとも私の趣味じゃないけど、浜コンの美意識からして、こういう人が上に行くのかなあ。

それにしても「松浦豊明の世界 I シューマン・ライヴ集」(TMCD-001)良いです。ピアノ・サイボーグ的美意識からいえば傷がたしかに多いのですけれど、やはり魅力は豊かで美しい音色、風格ある大人の音楽。シューマンしばしば苦手な私でも安心してあちらの世界へどぼん。

それではまた書きます。ギリシャ語の世界へどぼん。

でも、なにかと喧しい教育関係の社会問題について悲憤慷慨調の檄文を書く気がいまどうにも起こらないので、それはごかんべん(文学の世界について檄文を書くのものれんに腕押しね)。エリュアールの自由の詩、こっそりつぶやきつつ、自分の持ち場で闘いましょ。

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16. November 06

浜コンその2。

浜コンの中継その後、なのですが、とりあえず1次の結果見ました。
そうか、パーク姉妹もクセニアちゃんもマルコもいないのか…
前山仁美さんもいないのか。清楚ないいお嬢さんで、音がきれいでこまやかな演奏に好感がもてたんだけどな。
モスクワ大学法学部の秀才くん・アンドレイ・コロベイニコフ(エスペラントぺらぺら君)もいないのか。
確かに、彼の弾く《炎に向かって》は、青空の下でフリスビー大会、みんなでムフフ、いい汗かこうぜ、てな感じで全然妖しくないのでしたが。

残念。
うーん、もう、いいや、かも…
高松のほうがまだしも(すくなくとも3次予選までは)音楽的だったと思うよ…
去年のショパンコンクールなんて、もう、一次予選や二次予選なんて、個性的な面々が炸裂していて、ドミトリー・レフコヴィッチ氏とか、インゴルフ・ヴンダー君とか、エレーヌ・「アマゾン」・ティスマン女史とか、ニコラ・ブランギエ君とか、かなり抱腹絶倒ものだったのですけれどねえ。(無口)
向こうの世界につれてってくれるものが、私は見たい。

で、今回注目株の英国王立音楽院のサーシャ(・グリニュック)の演奏の画像、見ました。2003年には小熊のような少年だったのが、中熊くらいになっていました。演奏は、賢くきれいにまとめたなあ、という印象で、英国王立音楽院の秀才弾き、というのだろうか…いつ猫をぬぐのかな、と思っていたら、バラ4の最後の最後、コーダをゴリゴリ炸裂させていました。かりに彼のリサイタルがあったとしても、チケット買ってまで聴きに行きたいとは思わないけど、彼は紘子おばちゃまのカレーの殿堂(謎)に入るのではないでしょうか。うんうん。あと、残ってる人たちのなかでは、マルチナ・フィリャクさんのハイドンが良いかんじでした。

追)いま公式サイト見ました。一人出場辞退で、マルコ(・ムストネン)繰り上がって2次進出とか。
ほほう、そいつは楽しみ。

いくつか面白い本の話題もありますが、それはまた別の機会に。
それではしばらくみなさまごきげんよう。

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12. November 06

浜コンもネットで見られます

ごぶさたしています。
しばらくこちらをお休みするには違いないのですが、それなりに進んではいますので、ちょっくら出てきました。
年度内は不定期の更新になりますが、気長におつきあいくださいませ。
東京のいつまでも三月みたいな気候にめんくらいつつ、早く寒くなれ、寒くなったらもっと集中できるから、と念じているなかけふです。寒いの大好きです。

ところで、見るのよそうと思っていましたが、はじまりましたねえ。
浜松国際ピアノコンクール
ネット配信映像へのリンクは、もちろんコンクールのウェブサイトからも行けるのですが、下にリンクをはっておきましょう。
静岡大学情報学部のベンチャー企業「デジタルセンセーション」との技術提携だそうです。
コンクールのネット・ストリーミングのウェブサイト
やるじゃん静大。
がんばれ国立大学!!
映像はコンテスタントごとに保存されていますので、リアルタイムでPCにかじりついていなくても見られます。
ありがたいことです。音質は良いです。
気になる何人かちらっと聴いてみました。

詩と短歌お休みしてますが、こういうのみると、詩歌や音楽の表現の、対象に到達する速度の速さに、胸が熱くなるようななつかしさを覚えるのですよねえ…
今回は文章中継はしませんが、気が向いたらなにか書くかもしれません。

とりあえず今日聴いてみて。

・エスター(・パクさん) 
ジュリアードの人。NYCの畏友・堀内恵理子のともだちなので聴いてみました。勤勉でかっちりきちんとさらってあって、パワフル。人柄の暖かさを感じさせます。でも、でも、歌心がもっとほしいな。リスト《リゴレット・パラフレーズ》にはオペラ味がほしいとも。

・クセニア・モロゾヴァさん
高松で聴いて気に入ったロシアのひと。まだ二十歳なのか、若いなあ!端正で純粋な音楽が魅力的、音色もきれい。舞台映えする衣装も、カッコイイ。高松の時と同じいっちょうらの、横スリットのすーっと長く入ったAラインのロングの黒のかたひもドレスでした。いや、バッハ良かったのでは。フレージングのセンスがなかなか。ワルトシュタインとか、リスト《婚礼》とか、彼女にとても合っていると思うけれど、画面のこちらまで伝わってくるような緊張ぶり、うう、落ち着けー!!センスは良い人なので、上に行ってほしいなあとは思いますが…。

・オレシア・トゥトヴァさん
くるくるパーマの金髪にスレンダーな体格のロシア美女。平均律2巻のニ長調(←古楽あんまり聴かない人なのかな?)とベートーヴェンが滑ってしまって惜しいなあ。お国もののグリンカは音色もきれい、透明で繊細な音楽作りで持ち味が出たかも。

皆さんご注目であろう、アレクセイ・ゴラッチ氏のヴィデオクリップは、まだ聴いていません。水曜日に登場のマルコ・ムストネン、木曜日月曜日に登場のサーシャ・グリニュック両氏のヴィデオクリップは出次第見るでしょう。たぶんリアルタイムでは聴けないと思います。サーシャの演奏は前にRFHのスティーヴン・ハフ先生マスタークラスで聴いています。「ガンガン弾くな」としかられてましたが、あれからずいぶんたっているし、どんな感じで成長したかな。

そういえば、杉本真維子さんが前に詩手帖の対談で「演奏会の1時間40分は退屈、あとの20分が狂気の沙汰、まるで現代詩のよう」ととりあげてたニカ・シロコラッドも浜コンに出るのよねえ。今回、「狂気の沙汰」のフィニッシーは弾かないそうだけど…

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08. September 06

歌って踊らせるオペラ指揮者とアムラン親分

□アムラン見てきました。(東フィル定期公演、ブラ2、《英雄》、6日サントリーホール、7日東京オペラシティ(大))

指揮のダン・エッティンガー(Dan Ettinger)氏はなかなかの切れ者だと思います。容姿もみぶりもピクサーのまんが映画に出てきそうな感じでどこかユーモラス、歌って歌って踊らせる指揮者でした。きけば、バレンボイムの後継者と目される人で、イスラエルを拠点にオペラ指揮者として大活躍の若手だそうです。《英雄》は魅力炸裂、ベートーヴェンの中期の作品の、構造そのものの躍動するうつくしさだけで楽しませるところ、ワクワクするものがありました。歌って踊れそうなオペラ指揮者が東フィルには合うのかな。東フィルもノリノリでした(N響と新日であのノリノリは見られないでしょう)。もっといい音楽なら、ドイツの中都市のオケで聴けるでしょ(そりゃあドイツ音楽のネイティヴですもの)という説もありますが、ここはなにしろ極東芸術砂漠。若々しく元気いっぱいで底抜けに明るく、しかも演奏者のインテリジェンスを感じさせる音楽は、聴衆をしあわせにするものがあります。イスラエルでどんな音楽を振っているのか、興味あります。新国でもイドメネオを振るそうなので、見てみたいです。
クールで透徹していて何を弾いても未来の音楽になってしまうアムラン親分のブラームスとは、かなりタイプの違う音楽でしたが、アムラン親分が「小僧、オレにまかしとけ」といった風情で余裕綽々で弾いている眺めもなかなかオモシロイものでした。総天然色の背景のなかを淡彩の陰翳明晰な人間が歩くてな具合で、カナダの単館上映系形而上映画のようなものを思わせました。

しかし、どうしてこのようなものを「新しいなんとか」とやらは、水槽に漬けたくなるのか、わたしには相変わらず理解できません…水中オーケストラとかなまこの出てくる楽器は、音楽やる人間のディストピアです…

演奏は1日目のサントリーホールより、2日目のオペラシティのほうが格段によかったと思いました。なにしろ、リラックスしています。ブラームスのイントロのホルンさんのあれが克服できれば…。

オペラシティでわたしの隣に議員さん夫妻が座っておられました。一見こわもてのオジサマであるところの議員さんが、少年のように目を輝かせて《英雄》を聴いておられたのがとても印象的でした。その心をどうかぼろぼろの国政に生かしてくだされ、と願わずにはいられません。

□オルハン・パムク『雪』『わたしの名は紅』よみました。あれはすごいです。伝統主義と普遍主義のあいだで揺れる人間がたくさんでてきます。断章のつみかさなりでできた、詩的な奥行きのある小説です。おすすめします。藤原書店、よく訳本出したなあ。もっと読みたいです。ちゃんと感想書きたいものです。

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02. September 06

ごぶさたしています|ハフ先生新境地?|BBC?|アムラン大明神そろそろ上陸

□ごぶさたしています。
さすがになにか書かないと間がもたないですね。

二つ大きな仕事が終わったので実家に一週間ほど帰ったり(お風呂工事中だったもので、三鷹のスーパー銭湯「鷹場の湯」にも通ったものだ。ここは建築もお風呂も素敵です)、研究ハイになったり(あるときは、ひらめいたー!!と家の中で踊っていました)、なにかとお世話になったドクターがとつぜん山の事故で亡くなったのでそのお葬式に行ったりしているうちに、9月になってしまいました。
今年の東京は順調に秋になっているようで、ありがたいことです。
持病の治療で呑んでいる漢方薬(加味逍遙散)も今度こそは効いています。
チョコレートは今の私には必要ないみたいです。
クラリーセージとゼラニウムの香油はますます手放せません。
これからほんとうにかなりいそがしいのでしばらく「現代詩」のことはわすれて研究(と授業の準備)に集中します。
詩集(改訂第3稿)の原稿は書肆山田に託しました。来年の前半には出るでしょう。そのためにもいまは目の前のしごとをやります。
新しいPC買いました。書き物用と通信用にわけました。やっぱり画面が広いと書き物に集中できますね。これは通信用にした旧PCで打っています。散財しましたけれど、未来への投資ということで。

思わずつっこみをいれたくなるようなこともいろいろありますが、自分の世界の静けさを護るためには、じっとがまんできにしないでいることも必要だなあと思います。

□ピアノはいちおう弾いています。ワルトシュタイン、エチュード代わりです。あれを弾いているうちに、フランクのコラール第3番が楽に弾けるようになっていました。。。舟歌とかスケ2スケ3どうする自分。しろうとなりにかっこよくひきたいよねえ。

□ところでスティーヴン・ハフ先生のウェブサイトのプロフィルを久々に見ました。
来年の3月に王立リヴァプールフィルを弾き振りして指揮者デビューすることが決まったとありました。モーツァルト21番(おはこ)の弾き振りのほか、チェロのスティーヴン・イサーリス氏との共演でハイドンのチェロ協奏曲と自作のチェロ協奏曲《The Loneliest Wilderness》、メンデルスゾーンの《イタリア》も振るそうです。
同じく3月にはContinuumから神学的随想の本も出す予定とか。かねてから、穏やかでなおかつ深い神さままわりの洞察をする人ですが、あの薫り高い文体でいったいどんなこと書くんだろう(彼の書く英語はあの演奏そのままに美しい)。興味しんしんです。

□6日から英国リーズで行われるリーズ国際ピアノコンクール(ドミトリー・レフコヴィッチ氏が出る)ですけれども、公式ウェブサイトを見る限りでは、決勝はBBCが放送するようです。イギリスにいたら気が気ではなかったでしょう。
それにしても出場面子を見るとなにやら強敵だらけっぽいですが、どみちゃんがんばれ

□それでも来週はいよいよアムラン大明神東京上陸、ブラ2を弾くそうなので、見に行きます。非人情の境地を開く冴えた演奏が期待できるでしょう

□早く、晴れてどみちゃんやハフ先生を大手を振って聴きに行けるご身分になりたい…。

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03. August 06

管理ページをあけたら|『化身』(倉橋健一氏)|どみ3位

□管理ページをあけたら、とつぜんアクセス解析のシステムが複雑精緻になっていて驚く。
電網世界の眼にからみとられているように感じられて鬱陶しい。
こんなに複雑にならなくてもいいのに。

遣ってみるとそれはそれで結構わるくないかも。

□詩集はわたし側の事情でしばらく延期になりました。遅くなっても必ず出します。その分よみごたえがあるものになると思います。あせってもしかたないし、くさるものでもないので、気長にまいります。
→規模も絞って、金策のめどもつきました。来年の前半のどこかででます。

□倉橋健一さんから『化身』(思潮社)をいただく。
倉橋さんは、戦後大阪詩壇の生き証人で、からだをはって本音勝負で、しかも篤実な日本語とたしかな知性で世相をするどく捉えた詩を書かれる。思潮社の『現代詩文庫 倉橋健一詩集』に入っている、エレノア・マルクスの出奔をうたった詩「暗いエリナ」を読んで、このひとは本物だ、信頼できる、と感じたものだった。
あの詩はすごいので、おすすめ。

「ヨハネ黙示録の天使の喇叭を聴くような気持ちでこの詩集をまとめた」とあとがきにある。
まさにそんなかんじなのだけれど、かたひじはらないのがいいかんじ。
川中子義勝せんせいの『遙かな掌の記憶』(土曜美術出版販売)とあわせてよまれるとしみじみする(と思う)。
時間をみつけてなにか感想文書きましょうかねえ…

実は倉橋さんは、投稿時代のわたしの作品の発見者で、この道に入る扉をひらいてくださった恩人でもある。
気長にやりなさいよ、と、励まされたような気持ちがする。


□むかむかしてばかりいるわけにもいかないので気を取り直して作業中です。アマゾン、牛津黒泉堂から7月中旬に注文した重要な本が続々届く(詩の本ではない)。今回は早いなあ。エクセターの友人から、出席できなかった某学会のハンドアウトが届く。学問的共同体の感覚は重要だ。

□ドミトリー・レフコヴィッチ氏、ニューオリンズ国際ピアノコンクールで3位入賞
184人(のうちから招待された12人)のなかを勝ち抜いての3位。ニューオリンズ関連ニュースポータルサイトに出ていた地元紙の報道(http://www.nola.com)は、なんだかとってもめりけんびいき(?)の雰囲気、どみちゃん完全アウェー試合なかんじで、さぞかしたいへんだったろうなあと想像します。このポータルサイトで、演奏のヴィデオクリップも一部見られます。あえてこの報道ではじみ~な側面を選んでいるような気がするのだけど、音楽的には品格と完成されたものがある…。
この人の演奏姿をみていると、なんかある種の美しさがあって、やっぱり地上的存在でない気がするのですねえ。
(よくみると、某スケート選手にはやっぱり似ていないかも…)
やまっけたっぷり野心たっぷりの若者になぜ勝てぬ…(涙)
自作も弾いたみたいですが(ついにやったか!!やるじゃんどみちゃん!!ちなみに地元紙ほめてました)、それはヴィデオクリップのなかに入ってなくて、見られなくて残念(見たい見たい激しく見たい)。
渋いひとだからなおさら世にでてほしいと思うのですよ…
次はリーズだがんばれ

□ヴィルヘルム・バックハウスの晩年のショパンの録音を聴く(1950年の録音)。葬送ソナタとかバラ1とかばりばりだ。剛毅なmanlinessむんむん、すごい絶倫老人ぶり。なよっちいのはきらいなので、胸が空くようでもある。

□暑いなあ、クォン・ヴーちゃん(涼しげな美貌のヴェトナミーズトランペッター)&パット・メセニーやケイト・ブッシュ(歌詞も素敵)もいいけど、コシュロー聴いてトリップするか…

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22. April 06

へぼんさぶれ(仮)とタカマツドキュメンタリー、など。

■仕事に行ったら、「洋菓子屋とコラボレート開始」という張り紙が講師控え室の掲示板にありました。なんだろうなんだろう、と生協に行ってみたら、横浜の老舗洋菓子屋とコラボレートした焼き菓子が並んでました。サブレとレーズンサンドの2種類です。思わずサブレ5枚入りを買ってみました。ココア味とバニラ味、さくさくと質実なお味で、おいしかったです(なお、商品名は「へぼんさぶれ」ではありません)。レーズンサンドも食べてみます。

■BS2の高松国際ピアノコンクール特集、録画で見ました。(あまわんこ君ありがとう)
NHKらしい甘さ控えめな味わいの、良質の青春ドキュメンタリーでした。
自炊をしている長瀬君とか、おじいちゃんの苺畑に行く富田さんとか。
音楽のドメスティックの壁の話とか。
塩味も効いていました。
銀ちゃん(蒲田行進曲ではなくて、優勝したパヴェル・ギントフ君)、3位に入った王超君、度胸が据わっています。やっぱりオーケストラに「オレについてこい」ができないといけないんだなあ。なるほどなあ。
ほとんど表情を変えない王君本人と、闊達なきもったまおかあさんの対比も印象的でした。

それにしても、アミーロフ先生。
あんなに怪しく面白いひととは思いませんでした。
いままで色眼鏡で見ていてごめんよう。
ハードロッカーのような姿で現れて、カメラ目線びしばしで見得を切ったり!!!
こんぴらさまに詣でて「コイツはオレに似てるな」と神馬に人参をやり、モスクワの森に散歩に出かけて、雪のなかで上半身裸になって「ワッハッハ」と笑いながら雪摩擦!!
あれは、ピアノでも独自のスタイルをもっていないと、芸としてはなかなかできないことでしょう。
この番組、半分くらい「オレが弾く・アミーロフ編」ですね。
アミーロフファン必見でしょう。
2次のラフマニノフもなかなかでした。
彼も、もうどんどんリサイタルやったらいいのに…。

イースター島美女のマハニ・テアベちゃんたくさん映ってました。
清楚な魅力満載です。
インタビューに答えて「若い人にはチャンスが少ないからいろいろなコンクールに挑戦するのだ」と語っていましたっけ。
リストのバラード第2番の一部だけ、ちらっと流れましたが、もっと演奏を聴きたかったぞ。
それにしても。
ドミトリー・レフコヴィッチ先生、美しい…
名前も出ずにたった8秒、優雅で軽やかな黒鍵の演奏映像が映ってました。
BS2さん、テロップだしてくださいな…
それでは、まるでなぞの金髪美青年です。

いやしかしドミマハニの二人で並んでると、まるでヘレニズム小説に出てきそうだな、、、
とらちもないことを思いました。

■文化出版局の本数冊買いました。
部屋を片づけていたらリバティプリントが出てきたよ…
服つくってる場合か自分、というツッコミはさておき。

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26. März 06

結果みました

高松国際ピアノコンクールの結果をみました
1位ギントフさん、2位クリステンコさん、3位ワンさん

ムム、日本人外れたか。
2位にクリステンコ君を入れるところに良心が感じられます
希望的観測が当たった…

しかし、3次にドミとラバゼヴィッチの諸君が残るだけでもよいとしよう。
さて、次へ進もう(作品を書こう)


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22. März 06

なにはともあれ

ねばっておきていたかいがあった…いまさっきウェブサイトみましたけれど、ドミトリー・レフコヴィッチ君3次進出決定だそうです、高松国際ピアノコンクール。彼はきたるべき時代のピアニストになるべきひとのひとりと思います。ベートーヴェンの1番弾くそうです。なにはともあれ、めでたい…(涙)

プロメテウス的超絶技巧にあこがれる気だてのよい努力型の秀才の人間くさい苦悩、のようなものがプロコフィエフの7番ソナタと、リスト(ホロヴィッツ編!)《ハンガリー狂詩曲第11番》の演奏に感じられたマーティン・ラバゼヴィッチ(Martin Labazevitch)君も3次に進んでいます。審査員の雅量を感じます。
彼の現時点でもっている技巧と表現力の限りをつくして、多少安全運転であっても、ヴィルトゥオーゾ型の過去の名演奏家(たち、なかんずくホロヴィッツ)のギャラントリーの世界へ真摯に近づいてゆこうとする熱いあこがれが痛ましく、ピアノ音楽の歴史と重ね合わせて思うと、聴いていてなにかこうぐっと胸に迫るものがありました。ドラマティックな表現力があるひとだとおもいます。どこか天使的なところのあるドミトリー・レフコヴィッチ君とはまたある意味で非常に対照的なタイプですけれど、興味深い人だと思いました。ハイドン(Hob.XVI-50)はリラックスしてチャーミングに弾いていて好感をもちました。その点で、モーツァルト23番は期待できるのでは。

金曜日土曜日といろいろ詩や研究方面の集まりが入ってしまっていて高松にはとても行けそうにないですが、自分の持ち場で任務をはたしつつ、念じたいとおもいます

またあとでかきます

追)えっ、なに、あのロックスター・アミーロフが残っている?oh la la!!!
しかしわたしはドミトリ君に勝ってほしいぞ。ドミトリ君上位入賞に5マルハバ。ただいま仲間内で予想星取り表オッズ表回覧中。


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21. März 06

詩人、作曲家に出会う(高松帰りのケフ)

日本語が読めるドミトリー・レフコヴィッチファンのみなさんこんにちは。なかけふです。

我々のドミちゃんこと、ドミトリー・レフコヴィッチ君が高松国際ピアノコンクールの2次に通ったので、なにはともあれ高松行ってきました。飛行機好きなのでもちろん羽田から飛行機に乗ったことは言うまでもありません。20日の3時すぎからと、21日の2人目まで聴きました。
しかし、日本人、どうしてああも粘る演奏が多いのだ…(涙)

で、たったいま、東京に戻ってきたところです。
いやー、よかった。
行ってきてよかったです。
自分が詩になにを求めているのかを確かめに行くという意味合いもありましたので、それは、なにか、ピシッとぶれの補正が効いたような感触があります。純真で、永遠の相にふれるものであって、しかもすこやかな躍動感があること。それだ!って感じです。

光り輝くような演奏でした。その気になれば、超絶技巧系バリバリもできるんじゃないかと思いました。あれはドミトリー・レフコヴィッチ、オン・ステージであって、コンクールの予選であるということを忘れさせるようなものでした。
ショパン《3つの遺作練習曲》《舟歌》、プロコフィエフ《練習曲》Op.2,3-4、ハイドンHob.XVI:48の2楽章、ラフマニノフ《前奏曲》Op.32-4、ショパン《スケルツォ第2番》、のほれぼれするようなプログラミング。音色の美しさ、構築力にしても、あれはほんとうの音楽家だと思わせるものがありました。やっぱりライヴはさらに魅力的です。
プロコフィエフは、(たぶんホロヴィッツを意識した)クリステンコ君とはまったく対照的な解釈、モダンでシャープ。しっかりと肉体の躍動もありました。しかもあの《舟歌》、、、、パーフェクトです。わすれがたいです。あれが、まさか、ほんとうにライヴで聴けるとは。
ちなみに弾いている姿はなんだか14世紀のフレンチ・ゴシックの聖堂建築の浮き彫りにいる天使像を思わせました。ダーク・ブロンドで白皙で、灰青色のシャツがよく映えてました。いいかんじです。
圧倒的な輝きをもつ音楽にざぶとんぜんぶ、と申し上げたいところですが、演奏会では誤差の範囲内の傷が、コンクールではいろいろひびいてくる、ということはあるのでしょう。どんな結果になっても、彼は強く歩んでゆくでしょうけれど。

会場の受付の係のかたに、ぜひにレフコヴィッチさんとご面会したい、と無理を承知で申し出ましたところ、なんとか、なんとか、終演後にお目にかかることができました。親切にしてくださった係のみなさまにも、大大大感謝です(涙)。たまたま休憩時間にお茶を呑んでいたところ、隣にすわっていたグループの中に彼のガールフレンド(かわいい!)がいて、はなしかけてみたらたちまち意気投合したのも幸いでした。
それにしても二人とも初めて会った気がしない、、、、ほんとうにうつくしい人々です。
ところで、本人に、「ばるかろる」と「鳩を放つ」の話をしたらとても感激されました。彼の作品と交換にけふ文字送る約束をしました。たまたま詩集のドラフト持ってましたので、いくつか作品のコピーをあげました。詩を愛する日本人のお友達によんでもらうそうです。あな、嬉し。(震)

というわけで、「Hortus」は、今年は出さないつもりでしたが、二カ国語版個人誌こと増刊号つくります。しばし待て!

で、もう一度聴きたい人々、といたしましては。

ドミちゃんはもちろん(合わせものの作品が多いそうなのですが、ぜひ自作を聴きたいもの)ですが、21日の朝に弾いたクセニヤ・モロゾヴァさんも良かったです。ロシアの人で、ベートーヴェン《ワルトシュタイン》2,3楽章、シューマン幻想曲、ローゼンブラット(!)《パガニーニの主題による変奏曲》を弾いてました。
まず、なんといっても、キュートな美人!!スリット入りの黒のスリップドレスがチャーミング!純粋で真摯な音楽、しかも透明感もあってオサレ。ワルトシュタイン惚れました。声部の描き分けと音色のすがすがしさがみごと。シューマンも清冽で純真でよかった(ここが、「シューマンらしくない」って言われると困っちゃいますよね)。一部のピアノマニアたちのあいだでは《鉄腕アトムの主題による変奏曲》で密かな人気のローゼンブラットのロシアン・ジャズな魅力も全開で、健康的でちっとも退廃的な妖しさがないところが素敵で、ほれぼれしました。あれ、っと思うところではずしてたのがすごく惜しかった。コンクール的にはいけないのだろうなあ惜しいなあ。

これからの芸術は、純真できれいで、やはり真理をめざすものが来ると私は個人的には思っていますけれど、この二人が3次に行くかどうかで、コンクールの審美眼がわかるかもですね。残ってほしいなあ!!(鼻息)

ネットでは、スタニスラフ・クリステンコ君、近藤亜紀さんの評判がいいみたいでした。会場で聴いたかんじでは、たしかにお二人とも上手で、明確なフィロソフィも感じられる演奏だと思いました。近藤さんのシューベルト19番とラ・ヴァルスは、日本人離れした(っていっていいのかなあ)スケールの大きさ、圧倒される説得力がありました。彼女もまるでリサイタルでした。お二人とも、いかにもロマンティックな芸術家、といったかんじの、独特の暗い情念の渦にひきこみそうなデモーニッシュなものをもっておいでで、そこで評価が分かれるような気がします。
個人的にはドミちゃんとかクセニヤさんがいいです。

結果出たらまた書きます。しかし、2次にのこった人の2/3くらいが日本人、なんかやな予感がするな…

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18. März 06

上陸|『repure』|ボルツマン先生衰亡記|『帆布』1号

◇みなさん週末いかがお過ごしでしょうか。なかけふです
詩集をまとめるにあたっていろいろ思案中です。古典を読んで弾いてそこから出てくるものをめぐってお庭をぐるぐる。私は幾重もの時間を生きている、等々。とりあえず今回は喜劇と教会婦人と短歌はしまっておきます。

◇高松国際杯(http://www.tipc.jp)なのですが、我々のドミちゃんことドミトリー・レフコヴィッチ君、春の嵐と共に日本上陸。
1次は明日(19日)の朝に弾く模様です。
何弾くんだろ。時差大丈夫かなあ。体力あるなあ。やっぱりコンサートピアニストをめざすとあれば丈夫でなければ、なのだろうなあ。
ヒルトンヘッド国際杯で2次まで共に闘ったひとの次に弾くなんて、まるで遍歴音楽学生教養小説(なんだそれ)。とにかく勝ちにいってほしいものです。
応援しに行きたいものですが、東京からではいかにも遠いねえ。
(しかし、ネット配信がないのは残念だなあ)


◇いただきものいくつか。
repure 創刊号
竹内敏喜さんから。ありがとうございます。
有働薫さんら、純心な魂の詩をめざす書き手が幅広い年代で集っています。「repure」は造語で、「レプレ」でも「リピュア」でもなくて、フランス語ふうに「ルピュール」と読むのだそうです。
江村晴子さんの『うらしろ』の装幀を手がけた水仁舎(http://suijinsha.jugem.jp)の北見さんの造本。表紙も中味もクリーム色のかった白。もちろん中綴じです。表紙の七色の箔押し文字が中世ヨーロッパの彩色写本のような色彩感覚。手触りもよく、目にも美しいです。

VIKING 655号(2005年7月)、國重游『静物/連祷』 (七月堂)
國重游さんから。ありがとうございます。
詩集は静かで美しい自然とそこから喚起される心象風景を定点観測的に撮ったことばによる映像作品風のもの(さいきんこんなかんじの詩集をしばしばみかけるかもしれません)。ロマンティックな資質が味わえます。

VIKINGに載っていた國重さんの小説「焼尽」(私のなかでは「ボルツマン先生衰亡記」)は、京都人の妻を持った19世紀風破滅型胃弱「天才」オーストリア人作曲家(凡庸な人々にかこまれた天才であることを自覚しているために作品がまとめられない)の衰亡を回想する京都人のその弟子の一人称小説なのですが、この弟子が京大オケ出身の日曜作曲家ドイツ文学者、という設定がなかなかありそうな感じです。京都とウィーンはどこか共通するところがあるのでしょうか、独特の高踏的なイケズぶりが味わい深いです。ところでこのオーストリア人作曲家の苗字が「ボルツマン」、一時期一世を風靡した某段階式激辛カレー屋を愛する男、を連想したのは私だけでしょうか。

ちなみに、都立国立高校音楽部にはかつて、「男子新入生をボルツに連れてゆき、激辛カレーを一発お見舞いする」という旧制中学的バンカラの風習がありました。男子どもは定期的にボルツに行っていたようです。ボルツのイニシエーションをはじめとするバンカラで喉と根性を鍛えられた面々は、大学に進むとワセグリをはじめとする各地の大学名門グリークラブに自主的に喜んで入る、という進路をたどっていたのですが、今はどうなんだろう。共学の高校における(バンカラに対比される)女子の女子らしさについてはいろいろ思うところがありますが、それについてはまた書きます。

帆布 1号 (中村恵美個人誌)
中村恵美さんから。ありがとうございます。
貴重な同世代の書き手です。
白い表紙に青い文字。「ラ・パハレラ、風の庭」のつづきと、レモンをめぐる断章(智恵子に智満子、昌代にもちろん忘れてはいけない基次郎)。
美人が書く美しい詩。とても瀟洒な、カタロニアの風のような冊子だと思います。あのあたりきっとお好きなのだろうなあ。カスティーリャでもガリシアでもなく。ぜひモンポウをおすすめしたいです。
わたしはついつい論理をよろってかまえがちなので、直ぐやかに風のように感興をかきとめる姿には、しばしば、いいなあ、うらやましいなあ、と思ってしまいます。
「ラ・パハレラ、風の庭」のシリーズには、弦楽器弾きらしきことばづかいも感じられます。
もしや中村さん、ばよりん弾きでガウディやカザルスのファンかしら???
って本人にきいてみよう。

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