« Juli 2007 | Start | November 2007 »

13. August 07

パウンド先生ご真影

アンリ=カルティエ・ブレッソン展、最終日の午後に行ってきました。

エズラ・パウンドのご真影が神々しかったです。

やあケフコ、いい詩書いてるか?
おまえニシワキを知っているよな?
良い詩を書けよ!

と語りかけるような表情でした。

おもわず手を合わせたことはいうまでもありません。

それはともかく。
今回の展覧会は世界巡回中で、日本では近美だけの開催だそうです。最終日の夕方で混んでましたが、美術館涼しいし、いやなこみかたではありませんでした。学生さん多し。図録は売り切れだったので予約しました。

アメリカとソヴィエトのシークエンスが印象に残りました。イデオロギーの書き割りのなかに生きている生身の人間をユーモアと哀しみと共苦とをもって描き出す視線を感じました。移民船の到着、ソヴィエトの父と子と怪しい支配者像、陋巷のGod Bless AmericaやJesus Comes Soonなどに胸を打たれるものがありました。

中国や中東や日本やインドの写真はしばしばなんだか格好良すぎて気恥ずかしかったです。

組み写真を解体してひとつの独立した作品として展示していた作品もかなりあるよと既に行った人からきいてましたが、むむ、御意。ヨーロッパ篇冒頭のデッサウの写真が組写真なのは実は後半の雑誌篇のところでわかるのです。あれはやっぱり4枚一組で見たかった。ソヴィエトの写真も実は連作になっていることが、雑誌篇のところではじめてわかります。連作性の強い短歌を無理無理に独立した作品として鑑賞しようとしているような感覚に襲われました。

オリジナルプリントの、シルバーゼラチンプリントならではの深くやわらかい闇の色や、掉尾の荒々しい力を秘めたドローイングも魅力的でしたが、肖像写真部門が実は面白かったです。球体関節人形をもってポーズをとる不思議ねえさんレオノール・フィニとか、鳩となかよしの晩年のマティスとか、作家や画家の面構えには不敵な気品が満々でした。眼光鋭いフランシス・ベーコンが格好良かったです。「さあきみもキャプションをつけてみよう」と遊んでみたいような写真がたくさん。

芋の葉に隠れる若き日のトルーマン・カポーティがはちみつでできたようなアメリカン美青年で驚きました。『ティファニーで朝食を』は(もと)美青年の文学であるか。

ブレッソン自身のポートレイトもたくさん出ていました。眼光明晰で額の広い顔立ちの、背の高い、結構な美男子です。ルノワール映画のスチール写真に出てた若い神父の役がピッタリ。隣に並んだバタイユ先生の怪しい神父振りと合わせてみるとかなり可笑しいです。なるほど美男子の撮る写真であったか。

非常にinspiringな展覧会だったのは確かなので、図録が届いたらじっくり読み込んでみようと思います。

同時開催のアンリ・ミショー展は、書き手の頭の中で暴れ踊る擬人化された甲骨文字(のようなもの)のドローイングをこれでもかと見せられているようでした。もちろん時代が時代なので、メスカリンを一発決めて描いたばらいろ甲骨文字状文様群のドローイングもありました。そういえば多田智満子も神谷美恵子のもとでLSDを「服用実験」した体験をもとに宇宙空間に回転しながら浮かんでいる巨大な薔薇の詩(「薔薇宇宙」)を書いた時代があったなあと思いました。

| | Kommentare (0)

05. August 07

ドミトリー・レフコヴィッチ氏、クリーヴランド国際コンクールでショパン賞をもらう

われわれのドミちゃんことドミトリー・レフコヴィッチ氏ですが、クリーヴランド国際コンクールでショパン賞を受賞したそうです。あのすばらしい演奏でなーんにも顕彰されないってことはまさかないだろうと思っていたので、よかったです。安心しました。ドミトリー・レフコヴィッチ氏の今回の演奏を題材にした短歌30首の歌稿も送ったことだし(今度の「玲瓏」にのります)、今日はごちそうだ。泣

ちなみに優勝はぶっちぎり貫禄勝ちでぎんぎん、いや、ギンジンとか。
もう笑うしかない。
くわしくはこちらをどうぞ。
http://blog.cleveland.com/reviews/2007/08/who_won_the_
cleveland_internat.html

|

01. August 07

ドミトリー・レフコヴィッチ氏の進化(2:追記有り)

クリーヴランド国際コンクールセミファイナルのドミトリー・レフコヴィッチ氏の演奏を聴きました。

あまりにもすごい、あまりにもすばらしい、もう、胸がいっぱいで、ここに書くのはもったいないくらいなので、作品に昇華します。

ドミトリー・レフコヴィッチ氏、全身が音楽なのだということがたいへんよく伝わる演奏でした。もう、別格です。
その前に弾いたアレクサンダー・ギンディンなど、ふつうのピアニストとしてはうまいのだと思いますが、まるで前座でした。ギンディン、がんがんびきだしね。(ファンの人ごめんなさい)

ひとつ大きく変わったことは、彼が傷つくこと、よごれることを恐れずに、まっすぐに音楽でもって見知らぬ世界にむかって求愛することを覚えたことでしょうか(へんないみではなく)。これはなかなかできないことではあるのですが、芸術家には必要なことなのだと思います。

地元大応援団がブラボーとばしまくり、WCLVのアナウンサーのおじさまのお話では、カーテンコールありまくりだったようです。

地元だからとてもリラックスして弾いているようだし、本選の指揮者もオケもよさげだし、なんとなくですが、彼は勝ちそうな気がします。

それでは作品作成に入ります。

追)The Plain DealerのDonald Rosenberg氏、ギンジンを激賞ですね…会場で聴くと随分違うのだろうか?

追2:8/2)いまThe Plain Dealerの頁で結果見ました。ファイナリストはDank, Kohlberg, Ghindin, Moutouzkineの4名とのこと。Zlabysもドミちゃんも落ちてる。まじかよ。ことばがありません。
それがコンクールよね、という感じですが、厳しいなあ…(無口)
ということはこれって、やっぱりGhindinが優勝か。なんだかな~(無口)
あんな押しつけがましいがんがんびきが、同じ音楽だとは私には思えないのですが…
ドミちゃんたくさん聴けたからそれだけで嬉しいし、私はいい詩が書ければそれでよいですけれど、でもな…なんだかな…
ああ、男ドミちゃん、どこへ行く。

とりあえず短歌連作まとめます。英語版計画中

| | Kommentare (2)

« Juli 2007 | Start | November 2007 »