« おうちでショパンコンクール観戦記:2次予選(2) | Accueil | おうちでショパンコンクール観戦記:2次予選(4)と結果 »

15/10/2005

おうちでショパンコンクール観戦記:2次予選(3)

■2次予選3日目。ポーリッシュ美青年クシュシトフ・チャスコフスキ、辻井君、日本にめずらしい個性派の山本貴志くんなどが出場。

■検索ヒット数から推測する、このサイトにお越しくださるみなさまの、今週の人気コンテスタントランキング。
ラファウ・ブレハッチ 15
山本貴志   10
永野光太郎 8
イム・ドンヒョク 5
マルコ・ムストネン 2

午後6時現在。ハッチだんとつです。

■美青年(クシュシトフ・チャスコフスキ)の演奏映像をみて、「この子カワイイわねー」などと、実家の母のようなことを言っている自分にきづいてどっきりする。血は争えないなあ。でも、美青年、音楽がなよなよしているなあ。ポーランドには、ピョートル・アンデジェフスキのような、なよなよピアニズムの人もいるのだけれど。はらはらさせるような場面もあったけれど、地元は大声援。おおう女性の声でブラボーが聞こえるぞう。


■辻井君。きれいな音で、純真な音楽をつくっていた。寄らば斬るぞ、の肩に力の入ったハラキリ・ミュージックではまったくない。ショパンの剛毅な側面がどうしてもまろやかになってしまったり、情感がたんたんと流れすぎたりもするような、ある種の弱さは否めないけれど、良い線行ってると思う。よく研究されたマズルカ(と夫が言っている)。会場は大喝采。大ブラボー。辻井君、こうなったら本選にのこって、ぜひぜひコンチェルトをひいてくれえ。いつか東京オペラシティで聴いた演奏を思い出す。

■辻井君の次に弾いたポーリッシュ男子の演奏がかなりのマッチョぶりで、おどろく。

■ともかく、いままで聴いたうちでは、1次でのブレハッチは別格としても、やっぱりドミトリー・レフコヴィッチがいいなあ。音楽も人もチャーミングだし、なにか訴えるものをもっているし。あんなにさわやかな英雄ポロネーズはなかなか聴けるものではない。
ドンヒョクは技術的にはばつぐんだけど、《葬送行進曲つき》で「オレ最強」をやるのは、やっぱり、音楽以前に、ひととしてなにかが違うような気がする。

■itvpのトップページに行ったら、教皇ベネディクト一六世(別名:べねちゃん)のご尊顔のアイコンを発見。あの悪人顔にひかれて開けてみたら、晩年のJPII(おなつかしい)の柔和なお顔をあしらった教会関係ニュースの番組サイトが。ぐぐっと格好いいデザイン。ただしポーランド語っぽい。

■さて日本時間夜中の時間帯。インゴルフ・ヴンダー(オーストリア)。三番のソナタからはじまった。一聴してわかる、まさにwunderbarな、すんばらしい演奏。アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズが絶品。ヨーロッパのショパンだなあ。会場大喝采。レフコヴィッチに強敵現るの観あり(やっぱりカナダは西洋古典音楽の伝統の浅さが魅力でもあり弱点でもあり)。ブレハッチと本選で勝負しそうな予感がする。この人も本選に来そう、旧き良きショパンコンクールの息吹がする、でも、正面から見ると西洋はにわにみえる(と夫が言っている)。

■山本貴志君登場。すさまじい強キャラ。物腰がさわやか、笑顔がキュート。いままでみた日本人のなかでは一番うまい。弾いてる姿がグールドっぽい。夫のはなしでは、いろいろな過去の名ピアニストのスタイルをよく研究して自家薬籠中のものにして自然に聴かせる複写能力にたけているのだけれど、それとなく、スタイルの引用もとがわかってしまうところもある、ということだった。それってある意味、いまの日本らしいのかもしれない。
新宗教研究の文脈では(とても大胆に要約すれば)、コラージュを多用するタイプの新しい宗教運動を「ハイパー宗教」、古典神話からのコラージュを多用して作り上げる現代の創作神話を「ハイパー神話」、といった用語のつかいかたをするのだけれど、それを援用するなら、山本君はハイパーピアニスト、ということになるのだろうか。

■ちなみになかけふの作業環境は、一台のノートPCをつかって、ブロードバンドで中継をつなぎつつ、ワードもあけて作業する環境です。

■明日(16日)深夜には結果判明の模様。月曜日1限から仕事だなあ。ううむ。それでは今晩はこれでおやすみなさい。

|

TrackBack

URL TrackBack de cette note:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/58745/6406043

Voici les sites qui parlent de おうちでショパンコンクール観戦記:2次予選(3):

Commentaires

初めまして!現在、大学2年に在籍しているなんたろうと申します。最近は、私もショパンコンクールにハマっているのですが、山本貴志さんの演奏が大好きになりました(^0^)
山本さんの演奏は、すべての音にグッと心に押してくるものがあるし、何より曲の表情をとても敏感に捉えられていて、聴き手を引き込ませる力があると思います。
演奏の姿勢や表現など個性的な面がかなりありますが、「聴いてみたい」と思わせる力は、いままでの演奏でも一番だと思います。是非ファイナルまでいって、偉大なピアニストの第一歩を踏み出して欲しいです。(もし進めなくてもファンは続けるつもりですが^^)

なかにしさんのホームページは、文章が大変知的で分かりやすいですね!もし良かったら、これからまたコメントしてもよいでしょうか??悪いことは絶対に書きませんので。

Rédigé par: なんたろう | le 16/10/2005 à 03:24

なんたろうさんこんにちは。ピアノがおすきとのこと、大学のピアノサークルには入っておられるのかしら。
山本君大変な人気ですね。日本人のなかではだんとつの個性派、ポストモダン少年、なかなかやるなあと思いました。おないどしくらいのみなさんにとってはなおさら感激もひとしおでしょう。
そういえば、古典音楽や文学の話を機智をもってかたる人って、日本ではまだまだ男の人が多いような気がします。不思議です。
これからの時代はきっと変わってくるはず。
今後ともどうぞよしなに。

Rédigé par: なかけふ | le 16/10/2005 à 14:32

Poster un commentaire



(Ne sera pas visible avec le commentaire.)


Les commentaires sont modérés. Ils n'apparaitront pas sur ce weblog tant que l'auteur ne les aura pas approuvés.